平成22年8月20日 金(晴)   すごいもの見ちゃった! 


いつものフラメンコレッスン日記は、書こうと思いつつも、忙しくて後回しにしているうち、
月日が流れるので、結局最近更新していません。

けれど、今日は、すごいものを見ちゃったのでその興奮のままに書いておこうと思います。

なかのZERO大ホールで開催されたた、日本フラメンコ協会主催の第19回新人公演ですが、
同じお教室のメンバーが出るので、仕事も途中で切り上げて行ってきました。

タブラオと違って大ホール。何だか、昔のバレエの発表会を思い出します。

18時開演でもうほとんど満席状態。
お友達が席をキープしていてくれていて、何とか座れました。

プログラムを見ると最初、ソロが8人、次に群舞が3つ、休憩をはさんで9人で1日にこんなに
沢山踊りが見られてすごくラッキーな気分です。

先生が「踊りもともかく本場のカンテがこれだけ浴びられるいい機会なので
是非見た方がいい」とおっしゃっていたので、どんな感じなのかな?とワクワクしてました。

始まってみると、ホント、迫力のある歌声とギターの中、皆さんハイレベルなバイレで
とっても勉強になりました。

けれど、私が今日ココで書きたいのは、「勉強になりました!」なんていう半端なものでなく、
「こんなの見たことない!これが見られただけでも来てよかった」と思えた感動的ステージが
あったということです。

それは、1つは正路あすかさんのファルーカで、ナイフのような研ぎ澄まされた感性に感動しました。

フリルも華やかなファルダが多い中、シンプルな黒いパンツがまず個性的です。
社交ダンスもそうですが、パンツだと脚の動きがはっきり見えて誤魔化しがききません。
それを大舞台で見せるのですから、登場から「これは!」と思いました。

雰囲気がもう違います。モノトーンみたいなシックな押し殺した緊張感(ごめんなさい、うまく
書けないけど)でフラメンコなのに日本の墨絵を思わせるような感じ・・・。

足のラインがすごく美しくて目が釘付けでした。(もちろん上体も綺麗でしたが、)
椅子に手をかけながら、右足に体重をかけ左足を斜めにすらりと伸ばしたあの一瞬のポーズが
目に焼きついています。

数々の踊りを今日は見ましたが、1つのポーズが今も頭に残っているというのは、相当
印象深かったからだと思います。

そして、細かい音の粒が揃って、繊細で綺麗なこと・・・!
音が澄んでいるってこういうことを言うのですね!

最後にすぅ〜っと大地に力が絞り込まれてフェードアウトするような、余韻を持たせた踊りに
異空間に吸い込まれそうな気がしました。
猛烈にかっこよかったです。背筋をしゃきっと正さずには見られないような踊りでした。

あともう1つ、感動したの、エストゥディオ カンデーラ発「湘南大和路ライン」のシギリージャで、
これも一言で言えば「感動」なのですが、言葉に出来ないほどのすごい群舞だったと思います。

あの魂を揺さぶられるような踊りは見た人でないと分からないでしょう。

5人のバイラオーラがそれぞれソロを踊れるくらいの実力を持っていて、それが見事に1つに
なってフラメンコの奥深いものを観客に見せてくれたのです。

シンクロ・スイミングのように、各人の動きを狂いなく揃えるのと違って、少々違う動きをしていたとしても
それが心の底でつながっていて、一体となっているから全く気にならず、それどころかその微妙な個性を
まとめあげて、1つの芯のようなものが感じられることがとても素晴らしいと思えました。

そんな訳で、舞台から伝わってくるパワーが、尋常ではありませんでした。

5人で踊っているからパワーが5倍というような単純な計算ではなくて、踊り手も観客も一体となった
会場全体のパワーがホールに溢れていて、エネルギー測定器とかがあったら、きっと目盛りが
ピーンとはじかれていると思います。

こう書くと、「そんなに激しい踊りだったのか」と誤解されてしまうと困りますが、実に細部にわたって
繊細な踊りでした。

一曲のうちに静・動の流れがあり、静の部分であっても感情を心にためてためて、そして
一気に爆発するようなそんな感じです。

言葉にすると、ホント陳腐で申し訳ないです。(ああ、書けないな〜、うまく。)

実を言うと同じお教室のメンバーというのは、この方々なのですが、同じお教室だから
誉めているのではなくて、掛け値なしにすごい舞台でした。

生きていてよかったな、ありがとう!といえるような涙が出るような舞台でした。
もう1回見たいけれど、もうあの一瞬しか見られないから、強く心に焼き付いている踊りなんですね、
きっと。

(でも、収録ビデオ、是非販売して欲しいです。社交ダンスだって有名競技会のビデオ販売してますし
フラメンコもそういうのがあったらいいな〜と思います。)

あらためて、フラメンコって素晴らしい!と思いました。
すごいものを見せていただいて、感謝です。

最後の21時半くらいまでいましたが、帰り道も興奮して疲れていない自分なのでした。


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